最愛の君へ
早く終わって欲しい様で

終わって欲しくない様な…

その先にある極度の緊張感に怯える自分も居た

嫌われたらどうしようだとか

会ったら何を話そうだとか

そんな事ばかり考えていた

時間わ待ってわくれない

卒業式わいつの間にか終わっていて

気がつけば泣きながら別れを惜しむ女子の姿や

娘息子の話しに夢中になっている親族の姿

カラオケへ行こうなどと騒ぐ男連中

もちろん俺わ

大事な大事な用事がこの後待っている

誘いは即決で断りを入れた

付合い悪ぃとブーイングをくらいながらも

今度埋め合わせするという約束を取り付け

他の親族らに紛れ涙ぐんでいる母親を見つけだし

卒業証書を渡した

『ありがとう』と言う感謝の意を込めて

なぁ母ちゃん

俺結構大人になっただろ?

迷惑ばっかかけて

困らせてばっかで

ろくでもない息子だけど

あなたが俺の母親で良かったと心から思ってるんだ

親孝行してやれなくてごめんな

親父と母ちゃんの息子に産まれた事に

心から感謝してるよ

今ここに感謝の意を綴ります
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