最愛の君へ
あの日を境に

俺は先輩との関わりを辞めた

とは言ってもそんな簡単に抜けられるグループじゃない事は

重々分っていた

『土下座してでも謝んねぇとな…』

正直会う事さえしたくなかった

殴られんのは目に見えてる

俺がつるんでいたグループは

結構ってゆうかかなり有名なグループで

頭の聡(サトシ)先輩なんて怖いなんてもんじゃなかった

鬼の様な先輩だ

でもけじめつけねぇとな…

『よぉっし!!』

弱虫な自分の顔を

二度叩いて気合いを入れる

水道水をコップに注ぎ一気に飲み干し玄関へと向かう

いつもはしない

鍵をかけたか確認して時間を稼いでいる自分に笑えた

アパートの階段を下り終えた時

兄貴と偶然鉢合わせになった

『お前何処行ってんの?』

『ちょっと…』

『お前あいつらとは関わんねぇんじゃなかったっけ?』

半ば苛立ちを見せる兄貴に俺も何故か苛ついた

『違ぇよ!!今から謝りに行くんだよ…』

『はぁ?』

『もぅグループから抜けるって言いに行くんだよっ!!あーもぅうっせぇなぁっ!』

『あっそぅ。気をつけて~』

そぅ言い残して手をヒラヒラさせながらその場を後にする兄貴に

『冷てぇ…』

なんて思ったりした

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