最愛の君へ
キーンコーンカーンコーン…

『何とか間に合ったなぁ。』

『嫌、間に合ってねーし。一限のチャイム鳴ってんじゃん』

『一限が終るまでに行きゃ欠席じゃねーだろ(笑)』

『バッカ屁理屈~』

教室までの廊下を重い足取りで歩いてゆくと

漸く自分達のクラスにたどり着いた

ガラガラガラ…

『須藤っ!?槙田っ!?』

こいつは俺等の担任

高田皓一(タカダ コウイチ)

『おはよーございまーす』

『久々に来たと思ったら遅刻かっ!さっさと席に着け!!』

うるせー先公

こいつ見ると苛々する

相手すんのもかったりぃ…

俺と壱はそんな担任の罵声を無視し席に着いた


一限を終え背伸びしていると

『りゅ~う~ちゃんっ!!』

と言う声と共に

後ろから勢いよく抱き付かれた

『い~ち~…邪魔だ。退け』

『龍ちゃんのいけず~。』

プーっとホッペを膨らませいじける様子を表す壱

『お前女かよ』

『いやせめて可愛い男の子って言ってよ』

『意味わかんねー(笑)』

『龍今日暇?』

『暇っつったら暇だけど』

『なら俺の彼女と彼女の友達で遊ばねー?』

『別にいいけど』

『っしゃぁ!』

何が嬉しいのかガッツポーズを取る壱

『何喜んでんの…?』

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