最愛の君へ
『ズルーーーーーイ!!!!!!』

『うっせぇよ壱!』

『お前声でけぇよ』

『二人ばっかりで行こうとして~!!俺も拓ちゃん家行きたい~!!行きたいったら行きたい~!!』

『あぁ~もぅっ!!分かった!!分かったよ!』

『まぢで!?☆☆☆☆』

『あぁ』

ワーイワーイ言いながらピョンピョン跳ねる壱を見て

やっぱ女みてぇ~

そぅ思った

その反面

壱みたいに素直な性格っていいよなぁ

って思う自分がいた

いつもは長く感じる授業も

何故か今日は早く感じた

そぅ

実は今

壱と誠と俺の三人で拓ん家へ向かっている途中

50m先に有るあの角を曲がれば拓の家

久々に歩く拓の家へと繋がる道は

とても懐しく思えた

『拓ん家ここ』

『ここ?』

『あぁ』

『にしてもでかい家じゃね?』

『なんか…家政婦いそー』

『…』

壱の発想はいまいちわからん


呼び鈴を押して中へ招かれると

玄関先で拓が待っていた

誠だけだと思っていたのか

俺ら二人の姿を見た拓は少しびっくりしていた

『まぁ上がれよ』

『おじゃましま~す』

拓の部屋へ招かれると真っ先に走りだしたのは壱だった

『わぁ~フカフカベッドだぁ~☆』

なんて言いながらベッドの上でピョンピョン跳ねる壱を見て


『い~ち~!!人ん家のベッドで遊ぶな…』

俺は壱の首根っこを掴み

ベッドから降ろした

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