最愛の君へ
玄関に入ろうとする拓を呼び止めた

『拓!!』

『龍!?お前帰ったんじゃ』

『いや。あいつらの前では話しずらくてさ』

『どした?』

『翔さんに…聞いた』

『あぁ…その事』

『ありがとな』

『龍が礼言うとからしくねーな(笑)』

『悪かったな』

『ごめんごめん』

『俺が言えた義理じゃねぇけどさ』

『?』

『昔みてぇにバカやりてぇなって』

『…』

『ホント今更だよな』

『龍。お前はあの頃から今でも俺のダチのつもりなんですけど?』

『…』

『ひっでぇ~なぁ。俺が縁切ったとでも思ってたわけ~?』

ニヤニヤしながら話し掛ける拓に

俺は思わず舌をまくしたてた

『バ・バカかお前!!!だ・誰も縁切ったとか言ってねぇだろ!!!!!ったく!』

『アハハハハッッ相変わらずだな~龍も!!』

『るっせぇ!!俺は暇じゃねーんだよ!帰る!!』

『クックックッ』

『笑ってんじゃねーよッ!!!』

『悪ぃ悪ぃッあ~面白ぇ~気をつけて帰れよ~』

『んな事わーってるよ!!!!!!!!!ッ』

顔を伏せながら

拓にそっけなく手だけ上げて帰った俺の顔は

恥ずかしいのと

嬉しいので

赤面状態だった

須藤龍

高Ⅰの頃の出来事
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