最愛の君へ
『シャワー浴びたら?』

『あぁ』

欲を満たせばさっきまでの雰囲気はどこにも無い

冷めた雰囲気に静まり返った部屋

一人亜紀を部屋に残し

俺は風呂へと足を運んだ

シャワーを浴びると何故か色々な事を考える

学校の事や

家族の事

近所で飼われてる番犬の事や


亜紀の事

そして確信する

あの気持ちは恋でも何でもなく

寒さとあのバカップルのお陰で

思考がおかしくなっちまったせいだ

ここだけの話

内心あいつらが羨ましかった


一人納得し部屋へ戻ると

亜紀はスヤスヤ寝息をたてていた


そっと布団を持ち亜紀の隣りに寝転がると

目が覚めたのか

『腕枕…』

そぅ要求された

言われるがままに腕枕をし

俺も就寝した

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