最愛の君へ
小学校の頃までは

『拓君』なんて呼んでたりしてたし

良く遊んだりもした

その頃の俺は

活発で

友達も多く

ヤンチャなガキだった

母ちゃんも親父も仲良くて

兄ちゃん子だった俺は

兄貴の後ろをチョロチョロ付いてまわっていたものだった

世間的には言えば

絵に書いた様な『家族』そのものだった

けど神様っていじわりぃよなぁ

俺が中1の時

親父の経営していた会社は倒産

働く事に気力を無くした親父は

それからというもの酒やギャンブルに溺れる毎日

母ちゃんは朝から晩まで働いて

そんな母の給料を父親は奪っていた

ホント最低な親父だった

その頃からだった

俺が荒れ出したのは

家に帰りたくなくて

意味もなくコンビニに居座っていた時

2つ上の先輩に話し掛けられた事がきっかけとなり

俺は夜な夜な先輩達とつるむようになった

兄貴はその先輩の知り合いで

あいつらとは関わるなと何度もくぎをさしていたが

聞く耳さえ持たなかった
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