最愛の君へ
いつ見ても拓の家はでかい

何か圧倒される

『まぁ上がれや』

『お邪魔しま~す』

『あら☆龍いらっしゃい』

『久し振りっす』

『見ない間にかっこよくなっちゃって☆』

『いやいや…んな事ないっすよ』

『照れちゃって~☆まぁゆっくりしていきなね☆』

この人は拓の姉貴

相変わらず綺麗やな~

外に食べに出ると思っていたけれど

拓の家の食卓には

豪勢な夕ご飯が用意されていて

夜ご飯をよばれる事になった


『ゴチんなりまーす』

『有り合わせの物で作ったからあんまり自信ないんだけどたくさん食べてね☆』

『いやいや!十分うまいっす!』

『ありがとぅ☆』

食卓には

俺と拓・拓の姉貴の3人だけ

共働きな拓の両親の姿はなかった

毎日

この広い食卓で

二人で食べているのだろうかと考えていると

たまに俺の家で飯を食べる拓は

時折悲しい顔をしていた事を思い出した


< 87 / 106 >

この作品をシェア

pagetop