素顔の先輩と甘い休息〜番外編〜
「じゃあな、留羽。俺は旧校舎に行くから。」
あっという間にやってきた放課後、匠は爽やかな笑顔で、俺のところに来た。
「ああ。今日も翠央ちゃんと一緒に過ごすのか?」
「もちろん。翠央に会う放課後が、何より楽しみで学校に来てるようなもんだからな、俺。」
“じゃあまたな。”と軽く手を挙げて、足早に教室を出ていく匠は、後ろ姿を見ても機嫌がいいのがよく分かる。
楽しいんだろうな、翠央ちゃんとの休息タイム。
俺は廊下に出ると、旧校舎の方をしばらくボンヤリと見つめていた。