素顔の先輩と甘い休息〜番外編〜

「こ…言付け?」


予想してなかった言葉に拍子抜けする俺に、翠央ちゃんは申し訳なさそうに頭を下げた。


「今日は、久しぶりに両親が海外から帰国して家に帰って来るんです…。ずっと楽しみにしてた日なので、早く会いたくて…。休息の部屋に行っちゃうと、匠先輩…直ぐには帰してくれなさそうだから…留羽先輩から伝えてもらえませんか?」



「う…うん。いいよ。そ、そういう事情なら翠央ちゃんも急いでるだろうし、俺が匠に伝えとくね。」


アハハ…と笑ったけれど、心の中は、この事態に追い付いてない感じだ。


「ありがとうございます、留羽先輩!」


翠央ちゃんは、何度もお辞儀をしてお礼を言った後、昇降口の方へと走っていってしまった。



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