素顔の先輩と甘い休息〜番外編〜
「…翠央。弁当作ってくるなんて…聞いてなかったんだけど。」
ふと匠をみると、不機嫌そうな表情に変わっていた。
「えっ…、でも…昨日、留羽先輩をお見送りした後、どこかに食べに行こう…って匠先輩が言ってたので、私たちの分はいいかな…って思って……。」
匠は、慌てて理由を説明する翠央ちゃんの手首を掴むと、傍に引き寄せた。
「んじゃ、予定変更。俺も翠央の手作り料理が食べたいから、この後は翠央の家に直行するからな?」
ニヤッと笑みを浮かべる匠に、翠央ちゃんの頬は、みるみるうちに赤く染まっていく。
見ていて微笑ましい限りだ。