ケンカ友達に恋する17才。
そこには氷の袋を持った恭平が立っていた。
トクン…
…トクン…ッ
早くなる鼓動。
赤くなる頬。
けれど、これは…
「じっと見んな…」
「んな!?」
思わず大きく開いた口。
「ひでぇ顔」
恭平は軽くバカにしたように笑うと歩き出した。
「ちょっと…『ひでぇ顔』とは何よ?」
私も大きな恭平の歩幅に遅れないように、早足で歩く。
「そのままの意味―♪」
「恭平に言われたくないし!」
「俺が言わなきゃ誰が言うんだよ」
突然、眺めていた背中が反転して、恭平が意地悪そうに笑っているのが見えた。
…─キュン…ッ
これは…
恋じゃない…
恋じゃないんだ。
きっと…、絶対。