ケンカ友達に恋する17才。
展示場の奥までやってくると、先生はひときわ人がたくさん集まっている所を指さした。
「あそこに飾ってあるんだ」
俺と先生がその絵の目の前まで来ると、ものすごく迫力のある、まるで絵の中の人が動き出すような絵が、そこにはあった。
「…すごいですね─…」
「この作者は、高校一年の時にフランスに一年間絵の勉強のために留学したんだ」
「へ─…」
どうりでこんなにうまいわけだ。
「先生、なんて名前の人が書いたんですか…?」
「…─宮下陽平。神崎君たちと同じ歳だよ」