ケンカ友達に恋する17才。
「そうじゃないの…一登のせいじゃない…」
「え…?」
一登は頭を撫でる手を止めて、私の顔をじっと見た。
「わかんない…」
「…なにが?」
「陽ちゃんのこと…、好きだったの…、大好きだったの…っ」
「うん…」
「けど…、今の話を聞いても…一緒にいても…ドキドキしない…、」
「…え」
「どうして…?
…どうしてっ?!」
あんなにも陽ちゃんを待っていたのに…
目を閉じて浮かぶのは、いつからか恭平だった。
私が泣き崩れると、一登は子供をあやすように背中をさすってくれた。