ケンカ友達に恋する17才。
木原はニコニコしながら俺の目の前まで来た。
「人物画ってなんだよ?」
「宮下君が書きたいって言って」
「は?なんだよそれ」
「大丈夫、大丈夫♪神崎君は書かないから」
木原は意地悪そうにそう言うと、奥の舞台へ行ってしまった。
…人物画って……。
宮下も他の美術部員もほとんどやってきて、みんな体育館の舞台の上でスケッチブックを広げた。
「一登…なんか練習に身が入らねえよ」
「大丈夫だろ、気にしなければ」
「……」
「それに…、」
「それに?」
「陽平は…初純が書きたいんだと思うし」