ケンカ友達に恋する17才。
「昨日…どうした?」
「ぇ…」
「屋上で…待ってたんだけど」
…─!!
「ごめん…、忘れてた」
恭平はニッと笑うと、私の頭にポン…ッと手を置いた。
「しょうがね─な…初純は」
…─キュンッ
恭平と目が合い、揺れる気持ちがおさまっていく。
「ごめんね」
「ん」
恭平は返事の代わりに、麦茶のキーパーのふたを閉め、それをひょいっと持ち上げた。
「先、行ってるぞ」
「…うん…!」
そう言ってすたすた歩いていってしまった恭平の背中は、なんだか大きく見えた。