ケンカ友達に恋する17才。
────……
そして、あっという間に夏祭り当日がやってきた。
「やっぱり…苦しい…」
鏡に写った浴衣姿の自分を見て、思わず出た言葉。
「お母さん、行ってくるね!」
「は─い、行ってらっしゃい」
家を出て、港へ向かう。
慣れない下駄をカタカタいわせながら、杏理に電話をかけた。
「もしもし杏理?もうついてる?」
「初純?ごめん、ちょっと遅れる!」
「えっ」
「30分ぐらい待ってて!」
そう杏理は言って、電話を切ってしまった。