ケンカ友達に恋する17才。
「…久しぶり」
「宮下…」
そう、そこには宮下がいたから。
宮下は俺の目の前で初純を後ろから抱き締めた。
…─!?
「初純、嬉しかった」
「…え、…陽ちゃん!?」
「返事…今のでいい?」
…返事?
「そ…れは…っ」
宮下は焦る初純をよそに俺を下から見た。
「って…ことで初純は俺が貰うよ…?」
「…っ」
いやだ。
いやだ。
いやだ。
「初純は俺が好きなんだ」
宮下のその言葉に、俺は何も言い返せなかった。
宮下はニッコリと笑うと、初純を一度離し、今度は腕を掴んだ。
「…じゃ」
「え…ちょ…陽ちゃん!?」
宮下は初純をそのまま引っ張っていってしまった。
…─くそ…っ
初純の幸せを願うと、これでいいんだと思う。
初純が幸せになれるなら…
と…。