ケンカ友達に恋する17才。
───………
「ここか…、」
ついに初純の家の前までやってきた俺は迷わずベルを鳴らした。
しばらくすると、玄関の扉が目の前で開く。
中から出てきたのは、エプロン姿の初純のお母さんだと思われる人。
「すみません、初純さんと同じクラスの神崎なんですが…初純さんはいますか?」
「初純は…今、空港ですけど…」
…─空港!?
まさか…!!
「ありがとうございます!」
俺は勢いよく頭を下げ、また走り出した。
初純のお母さんはただ俺を見ていた。
だがそんなこと、気にしていられない。
今、この瞬間にもイタリアに発ってしまっているかもしれない。