ケンカ友達に恋する17才。
●一登side
「100メートル走に出場する人は第1編成場まで来てください」
ピストルの音。
大きな声援。
澄みきった青い空。
「一登、お前100メートル走の選手だろ?」
「あぁ…うん」
俺は赤組のテントを抜け出した。
すると、そこにはふらふらしている初純がいた。
「あっ、一登」
「…初純、大丈夫か?」
「大丈夫だよ♪ちょっと熱っぽいだけ」
「そか…ならいいけど」
初純はちらっとテントの奥の方を見た。
「…恭平見てんの?」