スキの魔法
♡1 大きな邸に地味少女現る
あたし、本城 綾華(ほんじょうあやか)。16歳。
今、あたしは、これから住む家の前に立っている。
「着いたよ。」
お父さんの声を聞き、足を止め、下げていた顔を上げた。
――――!!!!
目の前の光景に呆然。
「お父さん…?あたし、これからここに住むの?」
「うん。そうだよ。」
特に驚いた様子もなく、普通に笑っているお父さん。そんなお父さんを不思議だと思いつつ。
もう一度、目の前の家を見る。
真っ白な3階建の邸。噴水のある大きな庭。高級そうな車が何台もある。
これは世間でいう、お金持ち――――。
「綾華?入るよ?」
「あっ…うん。」
近付くと勝手に開いた大きな門。に驚きながらくぐり、邸へと続く道を歩く。
広いな……。