スキの魔法
あてもなく捜したが…綾が見つかる事はなかった。
太陽の熱い日差しが、体力を奪っていく。
少し休もうと、近くにあった木に寄りかかった。
「侑志っ!!」
声のした方をゆっくり振り向く。
………最悪。
「……何だよ」
「侑麻さんから頼まれたんだよ。侑志を学校に連れて行けって。
……ごめん。」
あの女…。
フザけんなよ……。
「とりあえず、学校行こう。なっ?」
「………」
溜息を零し、俺は黙って歩きだす。
その後を、大稀がついて来る。