スキの魔法
♡3 お金持ちが通う学校。
「朝だ…」
目が覚めて、ベッドから下り、カーテンを開ける。
気持ちよすぎるくらいの朝日を全身で浴びる。
…今日から新学期。てか、新しい学校。昨日、入学式だったらしい。
あたしはお父さんの都合で、入学式に間に合わなかったけど。
だからって、乗り遅れた、なんて思わない。
どうせ、友達なんて出来ないから。
……1人に慣れてるから。
――――昨日の夜。
運ばれてきた食事を、百香さんと一緒に食べた。その時、百香さんが学校の説明をしてくれたんだ。
…でも、運ばれてきた食事に驚いて、説明があたしの耳に入ってくることはなかった。
「あ、そーだ…」
ふ、と思い出した侑志との約束(?)。
昨日の事を思い出すとすごくヤだけど…仕方ない。
溜息をついて、窓から離れる。
重い足取りで、あたしは部屋を出た。