スキの魔法



立ち上がり、またあてもなく歩き出す。





今はきっと真昼。




暑さが体力を容赦なく奪っていく。





重い足を、必死で動かす。





全く知らない街を歩いてるあたし。





すごく不安。





だけど……侑志の家から離れたいんだ。





少しでも、遠くに……。





「お兄ちゃーん!!ゔっ…うわーん!!」





「!!?」





前から女の子が泣きながら歩いてくる。





とてもかわいい。





あたしはその女の子に近寄った。






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