スキの魔法


空はもう、陽が沈みかけていた。





手掛かりが少ないから、進まない。





「きゃっ…」





突然誰かに思いきりぶつかられて、あたしは尻もちをついた。





「おねえちゃん、大丈夫?」





「うん、大丈夫…って、メガネがない!!」





周りが見えないよ…。どうしよう。





メガネがないと、歩くのは大変なのに…。





あたしにぶつかって来た人は逃げたみたいだ。





見える視界でメガネをさがす。すると、横に茂みがあった。





もしかしたら、ここだったりして…





ダメだ。このままじゃ歩けない。





でも、女の子がいるし…早くしなきゃ…





< 139 / 365 >

この作品をシェア

pagetop