スキの魔法
空はもう、陽が沈みかけていた。
手掛かりが少ないから、進まない。
「きゃっ…」
突然誰かに思いきりぶつかられて、あたしは尻もちをついた。
「おねえちゃん、大丈夫?」
「うん、大丈夫…って、メガネがない!!」
周りが見えないよ…。どうしよう。
メガネがないと、歩くのは大変なのに…。
あたしにぶつかって来た人は逃げたみたいだ。
見える視界でメガネをさがす。すると、横に茂みがあった。
もしかしたら、ここだったりして…
ダメだ。このままじゃ歩けない。
でも、女の子がいるし…早くしなきゃ…