スキの魔法
「…あの子、変わったわね。」
前に座っている母さんが笑う。
綾は先に部屋に戻って行った。
「…あぁ」
「大切にしてあげなさいね、侑志。」
「…は?」
理解出来ない言葉に、母さんを睨む。
「何で睨むのよ~。好きなんでしょ?」
母さんが楽しそうに、陽気に笑っている。
「…ちげーよ。」
「もうっ。嘘つかないでよ。」
何なんだよ…。全然態度が違うじゃんか。
「ついてない」
「とにかく!大切にしてあげなさい。分かったわね?」
「……分かったよ」
そう呟いて、立ち上がる。