スキの魔法
迎えに来た車に乗って家に帰りついたあたしは、車を降りるなり家へと走った。そして部屋に駆け込む。
ベッドに仰向けになって寝転がる。
涙が溢れてきそうで、グッと奥歯を噛みしめた。
―――ねぇ……お母さん。
あたし…これからどうすればいいのかな?
ここで上手くやっていく自信ないよ…。
―――コンコン
「…入るぞ。」
侑志の声がして起き上がる。
我慢していたはずの涙が頬を伝っていて、あたしはサッと拭った。
「どう…したの?」
あたしの所に来た侑志に訊ねる。
すると侑志が口を開いた。
「俺さ、お前の事嫌いなんだよね。」
……………。