スキの魔法
「…もしもし」
「もしもし~?」
「なんだよ」
「そんなに怒んなって!そりゃ気持ちも分かるけどさ!別にワザとじゃないんだし!!」
…分かってる。ワザとじゃないって事ぐらい。
でも…抑えきれねえんだよ。
…情けなくて、笑うしか出来ない。
「てか、侑志もヤキモチ妬くんだね~!!」
きっと大稀は笑ってる。
「…………」
俺だって驚いてる。1人の女に、これだけ振り回されてさ。
「言えばいいのに!好きだって!!」
大稀…そんな簡単に言うな。
初めて知ったけど、告るって結構勇気いるぞ。
俺は散々女に告られて来たけど…女ってすげーな。
てか、俺が女々しいのか?
「早くしないと、他の男に取られちゃうかも!!綾華チャン、狙ってる人多いからねー♪頑張れ!!じゃあね~」
何の電話だったんだよ。