スキの魔法
思わず、立ち尽くした。
胸がぎゅっと締め付けられる。
……苦しい。
侑志の部屋には…いつもは寝ているはずの人がいなかった。
……侑志が、いなかった。
制服も、鞄もない。
学校に…行ったの?
嘘でしょ…?
だって、侑志は朝が苦手なんでしょ?
1人で起きるの大変だったんでしょ?
だから…あたしに頼んだんでしょ?
なのに……どうして…っ
涙が溢れる。
もう……イヤだ……。
あたしはその場に崩れ落ちた。