スキの魔法
思いっきり頬を叩かれた。
ヒリヒリして、すごく痛い。
恐い。今すぐ逃げたいよ。
…でも。ここで負けらんない。
侑志の事を……っ。
「フザけてなんかいません。事実です。どうして見た目で決めつけるんですか!?」
あたしの突然の大声に、お嬢様方がビックリする。
あたしだってビックリしている。
それでもあたしは止まらない。
あたしの中にもう1人あたしがいるみたい。
「あなた達は…侑志のどこが好きなんですか?顔、ですか!?」
「…………っ」