スキの魔法
「あたしは、ずっと人が嫌いだった。…ううん、恐かった。傷付くぐらいなら、1人の方が楽だった。
この家に来た時も、唯一信じてたお父さんが海外に行って、あたしは本当に1人で。でも、侑麻さんや百香さんには…迷惑かけないようにしようって…自分に言い聞かせてた。」
初めてこの家に来た時のことを思い出す。
「……侑志の事、最初はすごく嫌いだった。上から目線で命令したから。でも…本当は優しくて、地味なあたしを…いつも守ってくれたよね。だから、あたしは…侑志の事を信じる事が出来た。侑志は、あたしを変えてくれた。」
侑志と視線が重なる。
この溢れる想いを…伝えたい。
「あたし……侑志の事が好き。」
生まれて初めての告白。
どうか…届いて……
「仕方ねぇな…」