スキの魔法



「どちら様ですか…?」





綾の弱々しい声が聞こえてきた。





「はぁ?あんたに言う訳ないじゃん!!」






お嬢様の“くせに”そんな言葉遣いしやがって。





お前ら人によって態度変えんなよ。





「あんた、侑志の何なのよ!?」





はぁ?呼び捨てかよ…ありえねー。





マジ苛々する。





女ってほんと勝手だよな。





「居候です」





…は?居候かよ?





…いや、確かに居候だけど。





「それだけ?侑志の傍にいるからって、調子に乗らないでよね?」





何偉そうな事言ってんだよ。お前に言われんのムカつく。





調子に乗ってるのはお前らの方だろ?





思わず唇をグッと噛む。





「調子に乗ってるのは、あなた達の方じゃないですか!?」






< 246 / 365 >

この作品をシェア

pagetop