スキの魔法
「どちら様ですか…?」
綾の弱々しい声が聞こえてきた。
「はぁ?あんたに言う訳ないじゃん!!」
お嬢様の“くせに”そんな言葉遣いしやがって。
お前ら人によって態度変えんなよ。
「あんた、侑志の何なのよ!?」
はぁ?呼び捨てかよ…ありえねー。
マジ苛々する。
女ってほんと勝手だよな。
「居候です」
…は?居候かよ?
…いや、確かに居候だけど。
「それだけ?侑志の傍にいるからって、調子に乗らないでよね?」
何偉そうな事言ってんだよ。お前に言われんのムカつく。
調子に乗ってるのはお前らの方だろ?
思わず唇をグッと噛む。
「調子に乗ってるのは、あなた達の方じゃないですか!?」