スキの魔法
「大丈夫?」
女の子が、あたしに優しく笑いかけてくる。
今さっき見せた笑顔と違って、柔らかい。
あたしは慌てて立ち上がる。
目線はあたしと変わらない。
「あっ…はい。ありがとう、ございます…」
頭を下げて、女の子を見る。
「ううん。いいの!無事で良かった!!あたしね、反田愛結(はんだあゆ)っていうの!!よろしくねっ!!」
あれ……?
今さっきと、何か雰囲気が違うよね?
「…本城綾華です。よろしくね。」
んー…緊張する。
女の子を前にすると、どうしても体が固まってしまう。
「正直、ビックリしてるでしょ?誰?って」
そう言って笑う彼女に、小さく頷いた。