スキの魔法
「…あのー…?」
そう小さな声が聞こえて、その存在を思い出した。
…すっかり忘れていた。
「綾華、この人…、彼氏?」
女からの質問に、顔赤くして、照れながら頷く綾。
こっちが恥ずかしいよ。…なんて言わないけど。
「…うそっ!!?カッコいいねー♪」
女が綾に向かってニヤリと笑う。
「どうも。上松侑志です。」
とりあえず、表の顔ではなすことにした。
「あたしの事は愛結でいいよっ!!よろしくね!!!」
「うん。よろしく。」
コイツ…話しやすい、かも。
他の女と、俺を見る目が違う。
「いいな~彼氏ッ!あたしも欲しいよー!!」
ふーん…いないんだ。
男が知ったら、狙われるだろうな。