スキの魔法
「遊ぶ女は、本当にただの遊び。お互い暇つぶしに遊んでるくらいの、そんな感じ。想う事はない。本気になる前に、会うのを止める。…こわいんだよ、捨てられるのが。」
捨てられる…?
「俺さ…中3の時から遊んでただろ?その時に、一回本気で好きになった女がいたんだ。付き合う事になったけど、すぐに、“ごめん、飽きた。”って捨てられた。大人の女だったから、中学生の俺じゃ相手にならなかったんだよな…。」
大稀がそう言って悲しそうに笑う。
「それから女が嫌いになった。遊ぶのもやめた。でも…その女のことずっと忘れられなくて、忘れるために、また遊び始めた。」
初めて知った。
大稀が女と遊ぶ理由。
「俺…何も知らなくて…力になれなくて、ごめんな…」
大稀の親友なのに…。苦しんでいるのを気付いてやれなかった。