スキの魔法
いつも通りに侑志と学校へ。
……?
お嬢様方のメイクとオーラが、いつもと違う気がする。
しかも…なんか浮かれてる?
……何となくだけどね。
「侑志様~!!おはようございますっっ!!」
ん~…一段と声も高い気が…
一体、何?
「おはようございます。皆さん、今日もお綺麗ですね。」
なんて、にこやかに、そんなことを言ってのける侑志。
「ありがとうございますっ」
お嬢様の瞳はキラキラ。頬はほんのりと赤く染まっている。
みんな、侑志の言葉にとても喜んでいる。
…騙されてますよ!!
侑志の本性見たらビックリするはず。
本当に女が嫌いなの?って、思う。
だって、あたし…その…き、キス、されてるから…
あたしは困るっつうの…。
「私、今日楽しみにしていますので!」
…ん?何を?
「私もですわっ!プレゼントもご用意しておりますの!!」
…プレゼント?何で!?
「…ありがとう。楽しみにしています。」
侑志とお嬢様方のやり取りを、あたしは不思議に思いながら黙って聞いていた。
―――後から、侑志に聞いてみよう。