スキの魔法
「ッ!?」
邸に帰り着くと、大きくて高級そうな車が何台も停まっていた。
車から降りてくる人たちを見て、違う世界に来たように感じてしまう。
綺麗なドレスを身に纏っている気品溢れる女性。
高そうなスーツでビシッとキメている男性。
一体…何があるの??
「…綾?早く降りろよ。」
外の景色を見て呆然としていたあたしに、侑志が声をかける。
「あっ…うん。」
あたしはそう呟いて車を降りた。
先に歩き出していた侑志の隣に並んで、家に入る。
玄関…ていうか、1階には見知らぬ人たちが沢山いた。
みんなお金持ちって感じがする。
みんなキラキラ輝いていて、眩しすぎる。
ほんとに、今から…何があるの!?
そう聞きたいのに…侑志は今、頭がハゲたおじさんと話している。
あたしは…どうすればいいの!!?