スキの魔法
「目、開けて。」
百香さんの指示通り、目を開ける。
「…?」
その瞬間、ぼやけた視界がはっきりした。
メガネしてないのに、周りが見えてる。
もしかして…今のは……
「コンタクトレンズ!!」
……やっぱり。
コンタクトレンズって、初めてかも。
「うん、すっごく可愛い!!自分の姿、鏡で見たら?」
百香さんが笑顔で言う。でも、あたしは動こうとしない。
だって…どうせ似合わないんだし。似合わない格好見たって意味ない。
ずっと突っ立っているままのあたしを、百香さんが鏡の前まで押していく。
止まったと同時に、鏡に映っている自分を見て、目を見開いた。