スキの魔法
「うんっかわいい!!綾華、似合うじゃん!」
「…ッ…」
あたしは言葉を失う。
蘇ってくる過去の自分。
ずっと…忘れていた。ううん。忘れようとしていた。
忘れたいと願った、過去のあたし。
“地味”を頭に叩き込んで、キラキラしてた自分を消したかった。
そんな過去の自分が、今、ここにいる。
「じゃあ、18時に1階のパーティー会場ね!!」
「……はい。ありがとうございました。」
あたしがお礼を言うと、百香さんはニコッと笑って部屋を出て行った。