スキの魔法
侑志 side




ハゲたおっさんと無駄な話をして、部屋で着替え終わった俺はヒマになり、綾の部屋に行く事にした。





…どうも最近、綾のことが気にかかる。あんな地味女、放っときゃいいのに。





なんて思いながら、部屋をノックして返事を聞かずに入る。





俺が入ると、驚いた表情で俺を見つめる綾。





俺も綾の姿に驚いた。





…すっげえスタイルがいい。全然似合うじゃん。





ずっと見つめてくる綾に、意地悪な事を言う。すると反論された。





…素直じゃねーの。





俺はそう心で呟き、綾に近付く。





「綾、似合ってるよ」





耳元で甘く囁くと、顔を真っ赤にしておとなしくなる綾。





コイツの反応面白すぎて、意地悪言いたくなる。





…いや、言った事は本心だけど。





恥ずかしそうにお礼を言ってきた綾に、俺は笑った。





そこには、綾と普通に接している自分がいて。しかも、表じゃない。





何でだかよく分からないけど、もっとコイツのそばにいたい。





…そう思った。










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