スキの魔法
おおきな扉を開けば…
その会場は、沢山の人で溢れかえっていた。
はっきり言って、こんなに人がいるのを見るのは初めて。
人が多いとこ嫌いだし。あんまり外に出ないし。
てか、皆さん……キラキラしすぎです。
こんな所にあたしがいるなんて、自分でも信じられない。
未知の経験に、緊張で体がこわばっているのが分かる。
そんなあたしに気付かない侑志は奥へと進んでいく。
あたしも慌てて後を追う。
「侑志様。本日は誠におめでとうございます。こちらへどうぞ。」
突然現れた男の人が、笑顔でそんな事を言っている。
……え、ちょっと待って。今、なんて言った?
“おめでとう”?
ま、まさか……侑志の誕生日!!?
も、もし…そそうだとしたら…あたしっ!!何も用意してない!!
うわぁどーしよっ…。