スキの魔法



「続いて、侑志様より感謝のお言葉です。」





司会者の合図で、侑志がマイクの前に立つ。あたしは皆と一緒に侑志を見つめた。





「皆様。本日は私の為にお集まりいただき、ありがとうございます。皆様のおかげで、私は17歳を迎える事が出来ました。まだまだ未熟で、至らない点ばかりです。ですが、上松家の跡継ぎとして、これからも頑張りますので、温かい目で見守って下さると光栄です。
…それでは、パーティーをごゆっくりお楽しみください。」





侑志が頭を下げたと同時に、会場は拍手の嵐。鳴りやまない拍手が会場を包み込む。





あたしはというと…拍手もせずに、侑志をずっと見つめていた。





皆の前で話している侑志は、あたしに接する侑志と違くて。





……そんな侑志を、遠くに感じた。






―――気付けば皆、食べたり、話したりと、自由な時間を過ごしていた。





どこからか、音楽が流れている。





ふ、と侑志に目を遣ると、学校のお嬢様に囲まれていた。





侑志は笑顔でプレゼントを受け取っている。





……皆、侑志の為に…すごいな。



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