スキの魔法
気付けば時計は午後6時を指していた。
ボーッとしてたら、あっという間に時間が経っていた。
気が沈んでるのが分かる。
気分が上がる事は少ないけれど…気分が下がる事はよくある。
でも…いつもの気の沈みとは何か違う。
何なのかは自分でも分かんない。
―――侑志、帰って来たかな?
ふ、とそんな事を思う。
この胸の痛みを消したい。1人になると、考えてしまうから。
侑志の部屋に行こう。
そう思って立ち上がり、部屋を出た。