スキの魔法
「侑志、起きて。」
「んー…」
侑志の声が微かに漏れた。
「ベッドで寝たら?」
「ん……」
もう…起きないじゃん。
……しょうがない。このまま放っておく訳にもいかないし、ベッドまで頑張って運ぼう。
「ったた…」
意外と重いな…。見た目は細いのに。やっぱり男なんだって、再確認した。
やっとの思いで、ベッドに辿りついたとき。
「っきゃ!?」
侑志があたしの上に倒れこむ。後ろにはベッド。見えるのは天井。
一体……ど、どうなってんの!?!?
「ちょっ…侑志っっ…」
何か上手に喋れない…。
侑志の綺麗な顔が…近い。
顔の温度が急上昇する。