スキの魔法
「よし終わり!!何かあったらいつでも呼んでねっ♪」
最後の方は聞いてなかったけど、どうやら終わったみたい。
「はい。ありがとうございました。」
「いいえ!!じゃあまたねっ!!」
百香さんは笑顔で部屋を出て行った。
「はぁっ…」
思わず溜息。何か疲れた。
…辺りを見回す。広いな。もう、既にあたしの荷物は届いていた。でもとくに置く物なんてないし。
こんな部屋、あたしが使っていいのかな…。
あ…でも百香さん、この部屋しか余ってないって言ってたな。
やっぱりすごいな。
――――そういえば。
あいつに呼ばれてたな…。出来れば会いたくない。
でも、この家の人だし。行かなきゃだよね…。
あたしは、ハア、とまた溜息をついて立ちあがった。