スキの魔法
…………。
何か……苦しそうな顔してねーか?
まさか…
そう思いながら、綾の額に触れた。
「あつっ」
そう呟いて、手を離す。
俺の熱がうつったな……。ありえねー。
全く……こんな所で寝たりするから。
「馬鹿」
綾に呟く。
でも…しょうがないな。
今日は俺が看病してやるよ。昨日のお礼って事で。
俺は綾を抱えて、ベッドに寝かせる。相変わらず軽い。
とりあえず…と、メガネをはずす。
やっぱりこっちの方が似合ってると思う。
俺はひとり、クスッと笑みを零した―――。