スキの魔法
ふと時計を見れば、学校が終わる時間を指していた。
今までに、こんな風に学校を休んだ事はない。
家の用事で休む事は多々ある。
…でも。人の看病の為に休むなんて、今までの俺ならあり得ない事。
母さんが倒れても、働いてる奴に世話させたし。
そんな俺が、居候の女の看病?
たかが居候。しかも、“女”。
女嫌いの俺が、女の看病なんて笑うよな。
おかしいって、自分でも分かってるつもりだ。
ちゃんと分かってるけど……
コイツだけは、どうもほっとけない。
この気持ちは、一体何なんだろう…。