スキの魔法
「……侑志、の事なんですけど…」
「うん」
「侑志といると…すごくドキドキするんです。ときどき、胸が締め付けられたり…あたしの頭から、離れてくれないんです…」
あたしがそう言うと、百香さんは嬉しそうにニッコリ笑った。
「それが、“恋”なのよ。」
これが…恋。この気持ちが…恋なんだ。
「あたしもね、そういう風になるよ。傍にいてドキドキするとか、胸が苦しくなるとか…すごく分かる。綾華、その気持ち、大切にしてね。」
百香さんが穏やかに言う。
「…はい」
…侑志の事が好き。侑志に、恋してる。
「相談して良かったです。ありがとうございました。」
「あたしで良ければ、いつでも相談に乗るからね?」
「はい」
「じゃぁ、最後に1つだけ。恋は、待ってるだけじゃダメよ。掴みにいかなきゃ。いつだって自分に自信を持って、辛くても、相手を一途に想い続けなさい。」
「っはい!」
「頑張って!!」
百香さんはあたしの肩に手を置いて微笑み、そして部屋を出て行った。