女好き彼氏
なんて、どきどきしているあたしには
お構いなしで聖斗があたしの腕をひっぱりながら
これまた大きいリビングに連れてこられて
聖斗は冷蔵庫に入っているものを取り出した。
「俺、ジュース淹れてくから。何がいい?」
聖斗がそう言って見せてくれた。
ブドウジュースとリンゴジュース。
「リンゴがいい♪」
「わかった。先に俺の部屋行ってて。二階の奥から二番目の部屋」
そういいながら
食器棚から2つのグラスを取り出す聖斗。
「わかった」
あたしは高いところに置いてあるグラスを
楽々と取ってしまう聖斗を羨ましいと感じながら
コクリと頷きリビングから出たすぐの階段を上る。
トントントントン―-…
奥から二番目……二番目……
ここかな?
あたしは聖斗の部屋らしいところの扉の前に立つと大きく深呼吸をしてから
扉を開けた。
「お邪魔しまぁす」
って誰もいないけど。
そう思いながら部屋に入る。
聖斗の部屋から香る微な甘い香り。
「おぉ」