女好き彼氏
こんな感情はじめてだ……
俺の心は狂ったのか?
俺は今にも溢れてきそうな涙を耐えるために
また下唇をぎゅっと噛み締めた。
下唇から血でも流れてきてしまうんじゃないかってぐらい強く噛み締め
海哉の部屋の床をジッと眺める。
そんな俺を見ている海哉。
「悠雅は……なんで泣きそうなの?」
「え?」
俺は下を向いていた頭を上げて海哉の方を見る。
すると海哉はいつの間にか
体を起こしてベッドに腰掛けている状態になっていて雑誌を見ずに俺を
怖いぐらい真剣な瞳で見ていた。
意味が分からないことを海哉が言った。
そのせいで自分でも
思いもよらない気の抜けた声が
自分の口から零れでた。
俺はなんで泣きそうなの?
そんなの理由なんて一つしかない。
「美夜が……聖斗に抱かれてたから」
「悠雅は止めたの?」
俺の言葉にほとんど被さるように
海哉はそう訪ねてくる。
……………え?
止めた?
なんで?
見るのが怖いから……
止めれるわけないじゃん。
聖斗にカンジてる美夜を見たら俺は美夜を壊してしまうほど酷いことを美夜にするかもしれないじゃん。